サブエンジン式冷凍機と直結式冷凍機の違い

冷凍車の二つの方式

断熱性の高いコンテナを用いることで保冷を行うのではなく、冷却設備を搭載して庫内を低温に保つ車が冷蔵車あるいは冷凍車であり、両者は設定温度によって区別されます。冷凍車はその名の通り、0℃以下の温度に庫内を冷やしながら貨物を運搬するための車であり、冷凍食品や鮮魚、薬品等の流通はこれ無しには成り立たないと言えるほどに非常に重要な役割を担っています。近年ではお歳暮やお中元などでも冷凍品目が増加しており、さらに需要が高まることが予想されます。
庫内を低温に冷やす方法は基本的にはエアコンと同様であり、冷媒の圧縮と気化を繰り返すことによる熱交換を利用しますが、冷却設備を運転するための動力源は大きく分けて二種類あります。
まずは直結式あるいはメインエンジン方式と呼ばれるもので、車を走らせるためのエンジンの動力を冷却機にも用いるものです。直結式の利点は冷却までの時間が早いことが挙げられます。しかし、駐車中などエンジンを動かしていない間は冷却も行われないため、庫内温度が高まる可能性があることにしっかりと留意する必要があります。
もう一つの方式はサブエンジン方式と呼ばれるものです。その名の通り、車の動力としてのエンジンとは別に、冷却設備用のエンジンをもう一台備え付ける方式です。サブエンジン方式を用いることでメインエンジンを切っていても冷却を続けることができます。

サブエンジン方式の特徴

サブエンジン方式は主に大型車に取り入れられています。その理由は、大型車では運搬する冷凍庫も大きく、強力な冷却パワーが必要であり、直結式では出力不足になりがちであるためです。サブエンジンを取り付ける場所は車両によって異なり、車両床下にサブエンジンとコンデンサを搭載する場合をアンダーマウントといい、車両上部にスペースが確保できない際などに採用されています。細かな設置場所には比較的自由度がありますが、地面に近いため水しぶきなどを受けやすく、こまめなメンテナンスが必須です。このとき、コンデンサとエバポレータは別々に設置されます。
床下スペースが狭小である場合は、エンジンと冷却機を一体化して運転席上部(コンテナ前部)に設置するノーズマウントが採られます。ノーズマウントの方が設置時間やコストを抑えることが可能であり、水しぶきや融雪剤の影響を受けにくいという利点があります。
十分な電力の供給が可能となる一方で、サブエンジン方式にも課題があります。たとえば、新たにエンジンを設置するため車両重量が重くなることや、燃費が悪化すること、二酸化炭素の排出量が増大するといった点です。特に、日本の二酸化炭素排出量の2割は運輸部門が占めており、環境への影響は近年大きな問題として捉えられ、小型で軽量、かつ低騒音を可能とした機器のレイアウトを見直したサブエンジンの開発も進んでいます。

直結式の特徴とエンジン方式選択の重要性

サブエンジン方式の開発が進む中、地球環境に配慮した冷却設備動力としてメインエンジン方式も改めて注目され、改良が重ねられています。例えば、これまでエバポレータに液体状態と気体状態の冷媒が流入してしまうことが冷却効率の低下やコンプレッサの劣化の原因とされていました。しかし構造を改めることで液状の冷媒のみがエバポレータに流れるようにすることが可能となり、冷凍能力が30%ほど改善されています。冷却に必要な時間も4分の1程度まで短くできるといった報告がされています。
また、これまで圧縮機に用いられてきたレシプロモータでは困難であった小型化と高効率化を実現するために、スクロール圧縮機と呼ばれる方式を採用した冷却機の開発が進んでいます。近年排気ガスの浄化設備の設置が求められていることもあり、エンジン周りのスペースの狭小化が進んでおり、エンジンの小型化は特に重要な改良と言えます。
以上のような取り組みにより、二酸化炭素排出量の削減が進むと同時に、エンジンがひとつで済むために車両全体の軽量化が実現しています。また、別の方法で直結式の弱点を克服しようという動きもあります。直結式の欠点として、駐車中にはエンジンが停止するため冷却機への電力供給が止まってしまい、庫内温度が高くなってしまうということがあります。解決策として、スタンバイ機能という外部電力を電源コードで供給することで駐車中の動力を確保するという方法が多く採られています。近年では、駐車場に設置した電源からケーブルなどを用いずに、冷凍車に搭載したレシーバに電波で電力を届けるという新しい試みも始まっています。
このようにエンジン方式には2種類あり、直結式、サブエンジン方式ともに長所と短所を持ち合わせています。冷凍車の必要サイズ、運搬貨物、走行距離、走行ルートなどによって選択する必要性があります。最も適当な方式を選ぶことは、燃費の改善に繋がるだけでなく地球環境の保護にも繋がります。特直結式は技術の確認による改良が進み、注目を集めています。