冷凍車における自分で行うメンテナンスと業者が行うメンテナンス

■冷凍車のメンテナンスはどのような面で必要なのか
冷凍車は現代の物流には欠かせないもので、野菜や魚介類、アイスクリームなど、適切な温度管理のもとで運送しなければいけないものを運ぶために用いられています。そんな冷凍車に起きる最も致命的な故障は「冷えなくなること」。冷凍車が冷却機能を失ってしまうと運送自体がストップしてしまいます。特に冷却機能に負担のかかるハイシーズンは要注意ですね。
もし、配送中に故障をしてしまおうものなら冷凍車に積載されているものが溶解してしまいます。アイスクリームのように完全に溶けてしまうものはもちろん、それ以外の商品も品質を損ねてしまうため、商品がすべてダメになってしまいます。そうなってしまった時の損害は大きく、最悪の場合には訴訟に発展してしまったこともあります。
また、故障とまではいかなくても一年中稼働している冷凍車はその分劣化しますし、運送を目的にしている以上走行距離もどんどん増えていきます。長く、安全に使い続けるためにもこまめな点検とメンテナンスが大切です。

■自分で行う場合
自分で行うメンテナンスとしてはまず、簡易点検が挙げられます。2015年の4月からはフロンガスの漏えいを防ぐためにフロン排出抑制法が定められ、3か月に1度の簡易検診がユーザーに義務付けられました。
簡易点検では、異常な作動音がしているかを確認することや、コンプレッサー、冷却ホース、配管類、コンデンサー、スタンバイ装置、エバポレーターなどのオイル漏れなどを目視で確認します。倉庫の温度や熱交換器への霜の付着も点検します。異常が見られても見られなくても簡易点検の結果は記録します。
庫内や運転席などの簡易な清掃も自分で行えるメンテナンスです。清掃をすると乗り心地が良くなるのはもちろんですがそれ以上に重要なことがあります。一つは、庫内に付着する悪臭の対策になること。これは食品を載せているため気になる部分でしょう。そしてもう一つは冷却機能の改善が期待できることです。冷却機能が低下しているものの中では、汚れや霜が原因になっているものがあります。たとえば、ファンが動かないことによって空気が循環されていないのであれば霜や汚れを取ることでファンが動き出し、回復します。冷却機に霜がついて温度がうまく下がらない時には、荷物をクーラーボックスなどに移して扉を解放、温水で拭くことによって機能を取り戻す場合があります。特に冷却機能の異変が感じられるときは、いち早くチェックしてみましょう。目に見えるほこりや汚れの除去で解決できるならお金もほぼかかりません。
他にもトラックそのものの部分で言えば、タイヤ交換やエンジンオイルの追加、簡単なサビ取り作業なども自分で行えるメンテナンスのひとつです。

■業者が行う事で出来ること
故障の際に、業者の力を借りるのはもちろんですが、定期的なメンテナンスでも、自分では手の届かない部分を改善してくれます。業者が行えることは専門的な修理のほか、難しい部分の清掃や消耗品の交換も行ってくれます。具体的には配線・配管・電装関係の調整、冷凍機のベルト交換、ガス漏れのチェック、コンデンサ・エバモーターの交換、フロンガスの充填、塗装の改善や板金の修理、フロンガスの回収、コンテナの乗り換え、冷凍機のオイル交換、ドライヤーの交換などです。このようなメンテナンスはやはり一般の方には行えないためプロに頼るのが一番です。
どうしても自分では気づけないような部分や、専門的な知識が必要になる部分が多いため、大きな故障が起きて修理の間は冷凍車が使えなくなってしまうようなことは、ぜひ避けたい所です。いざというときにしっかり連絡を取り合えるよう、信頼関係を築いておくことも大事です。故障してしまった場合は修理代がかかるうえ部品交換までが必要となるとさらなるコストになってしまいますし、修理の間に代車をレンタルことになるでしょう。業者に状態をチェックしてもらうことも定期的に行うことが求められます。
メンテナンスの他により高性能の部品やバッテリーを搭載するカスタマイズも行うことができます。カスタマイズによって、より使いやすくなることや、より長持ちすることが期待されますが、どのようなカスタマイズをするかは業者の方と相談の上で決めましょう。
なお、冷凍車の売却を検討している場合にも整備をすることで高く買取してもらえる確率が上がります。重症の場合は修理代が大きくかかるので軽度のものだけ直すことで売却利益が上がります。
また、サブエンジン式の冷凍機を使っている場合は業者による年一回の定期点検がフロン排出制限法にて義務付けられています。これは、法律で定められた有資格者によって行われれば要件を満たすため、業者に引き受けてもらう他、社内で行うこともできます。
もちろん、業者によっては車検も扱っている場合もあるので、購入から車検までをすべて同じ場所で行うことも可能です。